
藤本 純輝Atsuki Fujimoto
1997 年 三重県生まれ。
2021 年 京都芸術大学大学院 芸術研究科 修士課程 芸術専攻 美術工芸領域油画分野 修了
京都在住
描く風景やモチーフの特性と素材の質感を互いに補完し合うように、素材を慎重に選び、手を加えることを大切にしている。特に支持体としての布に焦点を当て、その荒さや細やかさを活かして、柔らかな光や空気の流れを表現している。また、布地をあえて露出させることで、物理的な奥行きを持つ絵画空間を生み出し、日光に照らされた花畑や、木々が重なり合う光景を描いている。
絵の支持体には一般的なキャンバスではなく、手芸などで用いられるきめの細かいリネン生地を使用している。支持体の布そのものに細やかな空気の通り道があり、画面の奥、左右への空間の広がりを生み出す。また、剥き出された布は画面に物理的に画面の外に飛び出し、草花が太陽光に照らされ影を落とすように絵画空間に影を作り出す。本来、嘘の空間を作り出す絵画というものに対して、嘘のない、実際の空間に物体として存在しているものとして、物理的な前後、遠近を持った絵画空間の創出を試みている。
やわらかでキメの細やかな布を重ねたり、剥き出すことで浮かび上がる花や草木の様相は、花や花をとりまく光・空気のたしかな気配を創出する。
INTERVIEW
【MEET YOUR ARTISTS】布を重ねた層を“剥く”ことで風景を立ち上げる、藤本純輝の技法に迫る!