川端健太

プロフィール

私はインターネット時代の利便性と表裏一体で存在する直接性の欠落した様々な隔たりを意識して技法材料の研究と絵画、彫刻の制作を行ってきた。
昨今、新型コロナウイルスの影響も相まってオンライン化が加速度的に普及し、人とオンラインで対面する機会が増加した。その為あらゆるコミュニケーションが非直接的で、 モニターや端末を通した多層的なものになり、直接性の削がれた限定的な感覚体験が増えたと感じる。パソコンの画面に胸から上が映った映像だけではその人の身長や、仕草や立ち振る舞いが見えない。そのように現代のコミュニケーションでは克明に対象が見えているようでそこには実態が伴わない事が多く、聴覚と視覚の限定的な情報しか得られないことが多い。
私は絵画作品を通しインターネットなどの多層的な隔たりにより直接触れたり見たりする体験が希薄した現代特有な感覚を意識し、提示したい。