村山大明Tomoaki Murayama
1989年京都府生まれ、在住。
幼少の頃より山村で育ち、現在も古代米栽培をしながら制作スペース「atelier MOKU」にて立体造形や絵画制作を行う。
自然の調和、交わりをコンセプトに、緻密な表現で生き物を描く。
主な活動は、インスタレーション、壁画制作、ディスプレイ装飾など。
INTERVIEW
あなたにとって、美術 / 制作することとは何でしょうか。
制作は、描く対象物を観察し深く向き合うことのできる時間だと感じています。
そうして自然や生き物と対話することで、その中の一つとして生きる、人や自分自身について考えることにも繋がっています。
いつから美術に興味を持たれたのでしょうか。
絵を描くのは子供の頃から好きでしたが、美術というものに本格的に触れたのは大人になってからです。
今でも美術をやっているというよりは、子供の頃のまま好きなものを見て、描いているような感覚です。
アートに限らず影響を受けたクリエイターはいますか。
技法でいうと、特に池田学さんの作品に衝撃を受けました。
個展で原画を見た時あまりの衝撃に、細密という土俵で闘うのは諦めようと思いました。
また子供の頃から何度も観た、宮崎駿さんの作品の世界観やメッセージには多くの影響を受けていると思います。
転機となった作品があれば教えてください。
1つは「脈動スル樹」と言う作品です。
初めての個展のために描いた作品で、以降作風の軸となるコンセプト「自然との調和」を初めて形にした作品です。
一方で、まだモチーフの持つ生命力が表現できず、命を描くことの難しさを痛感しました。
2つ目は「森」と言う作品です。
制作の方向性や意味などに悩んでいた時期に、それらを一旦クリアにして描くことで、絵を描くことの熱量や自分の気持ちに正直描くことの大切さを認識しました。
また、長時間作品と向き合う中で、描く過程や時間にも意味があることに気付いた作品です。
今後、作家としてどのような活動の展開を考えていらっしゃいますか。
今後の展望や今挑戦されていることなどありましたら、お聞かせください。
各地の芸術祭やアートレジデンスに積極的に参加し、その土地々々の自然や命に目を向けた作品を制作します。
また立体作品と平面作品を組み合わせたインスタレーションやディスプレイ装飾なども行っており、自分の作品の世界観で多くの空間を作りたいと思っています。