大量生産された形と色の同じ工業生産品(缶)を、1年間庭の土に埋め、掘り返した。すると一つ一つがちがった腐食の仕方をしている。同じ姿形のものでも、当然ながら自然の原理に従えば、なにひとつ同じものは存在しないことを実感した。キャンバスの上に樹脂で缶を封じ込めた。１５年の月日がたち、たまたま倉庫から出てきた作品をみつけると、樹脂は琥珀のように黄変しており、まるで古代の化石のようになっている。「現代美術」というのもまた、時間の経過を避けて通れない。私の感じたオーラは、「わたしの行為」のオーラと重なって、唯一無二のものになってゆく。これらに、なんの名前がつけられようか。

制作年：2008年
素材：１５年、土に埋めて放置腐食した缶、樹脂、キャンバス、ミクストメディア
サイズ：140 x 180 x 30 mm
配送までの期間：2~3週間程度

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