中島晴矢

Tokyo Sniff

       

こちらの作品は、「RE:FACTORY」に参加のアーティストによるイベント販売作品となっております。
イベント会場にご来場いただけなかったお客様でも、イベント終了後に一部の作品はご購入可能でございます。
ぜひご自宅でお楽しみください。
※イベント会場にて売約成立となった場合はSOLD OUTとなります。あらかじめご了承ください。


 

東京の政治的なシンボルは、どうしたって東京都庁舎になるだろう。
1991年に丸の内の旧都庁舎から新宿副都心へと移転した現都庁舎は、都の行政の中枢機能を担っている。
新旧共に丹下健三の設計であり、現都庁舎はパリのノートルダム大聖堂を参照した、所謂ポストモダン建築だ。
この高層ビルのロビーにて、港区の防潮扉で発見された「バンクシー作品らしきネズミの絵」(!)が一般公開されたことも記憶に新しい。
普段、グラフィティをイリーガルなものとして処理している“公”が、ポピュラリティと市場価値を有する落書きを恭しく保護するという矛盾について、論理的に整合性のある説明は未だ聞かされていないが。
ちょうど同じ時期には、あるミュージシャンのコカイン使用による逮捕劇があった。
むろん法を侵すのは望ましくないが、それに付随するメディアの過剰報道がアディクションの治療を疎外し、世間が道徳的・感情的に人格を裁いて、その「作品」までをも社会的に抹消するような風潮には、やはり違和感を覚えざるを得ない。
かつて同じく丹下が構想した「東京計画1960」は、都庁舎と違いアンビルドに終わった。
そのマスタープランを鳥瞰図で見ると、東京湾上に白い幹線が錯綜していて、まるでコカインのホワイトラインのようだ。
東京を砕き、白いラインを時空に引いて、とにかく鼻から吸ってみる。

制作年:2019
素材:シングルチャンネル・ヴィデオ
サイズ:12 分 44 秒
エディション:10
配送までの期間:約1ヶ月
作品画像クレジット(コピーライト):Haruya NAKAJIMA

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